川端真由美ブログ
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〇〇たんぱく質の摂りすぎに注意!3つの健康リスク

〇〇たんぱく質の摂りすぎによる3つの健康リスク

今回は「〇〇たんぱく質の摂りすぎに注意!3つの健康リスク」ということでお伝えします。

結論から言うと、〇〇たんぱく質というのは、動物性のたんぱく質のことです。
たんぱく質は、不足しないように気をつける必要がありますが、摂りすぎにも注意が必要です。

たんぱく質を多く摂りすぎていると、主に腎臓の健康リスクが高まってしまいます。

腎機能への影響は、特に人工的に作られたプロテインやアミノ酸はその可能性が高いと言われていますし、食べ物のたんぱく質であっても、特に動物性のたんぱく質は腎臓への負担が大きくなります。


今回は、動物性食品をよく食べる人であったり、プロテインを飲んでいる人に、特に知っておいていただきたい健康リスクについてお伝えします。

 

私は管理栄養士で、病院・福祉施設・食品会社さん向けのコンサルをしています。
そしてヒーラーとして、15歳から延べ200人以上の病気や不調改善のお手伝いをしてきました。

私自身も以前、不調だらけだったのを改善したときにもやっていったんですが、健康のために、まずは自分の身体にとってリスクになっているものを排除していくのが大切だと考えています。

今回も、そのためにも重要なことをお伝えします。

今回は主に腎臓の話になります。
日本人の方で腎臓病になる人も以前に比べて増えてきていますが、今後、もっともっと増えると言われています。

腎臓病になってしまうと、日常生活も含めてさまざまな面で本当に大変なので、あなたにはそうならないように、是非知っておいてほしいことをお伝えします。

 

内容

① 腎臓のはたらきと腎臓病

② 動物性たんぱく質過剰摂取による腎臓機能への影響

③ たんぱく質の摂取目安量

 

①腎臓のはたらきと腎臓病

まず、腎臓のはたらきと腎臓病の怖さについてお伝えします。

腎臓についての話をさせていただくのは、摂るたんぱく質の種類によって、腎臓にかなり影響があるからです。

私は大学時代に、腎臓病専門の病院で栄養士実習を受けたんですが、腎臓の病気には絶対なってはいけないと思いました。
腎臓病の人の食事は塩分制限になるので、薄味で美味しくなかったり、腎臓病が進むと「人工透析」になって、仕事にも日常生活にもかなり支障をきたすからです。

寿命も短くなってしまいますし、透析をしている時間は病院にいなきゃならなかったりで不自由な時間がかなり多くなります。

私の親戚も、長年腎臓疾患を患っていて、昨年亡くなりました。

腎臓はとても大切な臓器なので、本当に気をつけていただきたいです。

 

腎臓のはたらき

腎臓は、たんぱく質などの重要な栄養素を取り込んで、毒素や老廃物を血液中から尿へ排出する働きをしています。

腎臓が正常に機能しなくなると、代謝老廃物が血液中に蓄積して、虚弱、息切れ、錯乱、心拍リズムの異常につながってしまいます。

ただ、腎機能が低下している人たちの多くには、まったく症状が現れません。
重症化するまでなかなか気付きにくいので、症状を感じていなくても注意しておいた方がいいです。

 

腎不全の怖さ

重度の腎不全になった場合は、腎臓移植を受けるか、「人工透析」ということで、機械で血液を濾過するしかありません。

「人工透析」は、週に3回✕4時間というのが標準的な回数で、医療費も時間もかかる治療になります。

そして慢性腎不全の場合、基本的には回復しないので、その治療が一生続いていくことになります。
日本透析医学会によると、2022年時点で、日本での透析人口は約33万人といわれています。

 

毒素や感染症などによって、突然、腎不全が起こる場合もありますが、ほとんどの腎臓病は、長い間に腎臓機能が徐々に失われていくのが特徴です。

アメリカでは現在30歳から65歳の人のうち、半数以上の人々は、後に、慢性腎疾患を発症すると予測されています。(※1)
日本人でも、欧米化した食事を好んでいる人は要注意です。
(※1)Hoerger TJ, Simpson SA, Yarnoff BO, et al. The future burden of CKD in the United States: a simulation model for the CDC CKD Initiative. Am J Kidney Dis. 2015;65(3):403–11.

 

心臓機能への影響

腎不全は腎臓だけでなく、体中に大きな損傷をもたらします。

ほとんどの人は透析が必要となる以前に亡くなってしまうといわれていて、その場合の死因の中で特に多いのが「心臓血管疾患」です。(※2)
(※2)Dalrymple LS, Katz R, Kestenbaum B, et al. Chronic kidney disease and the risk of end-stage renal disease versus death. J Gen Intern Med. 2011;26(4):379–85.

 

心臓機能を正常に維持するには、腎臓の働きがとても重要なんです。
45歳未満で腎不全のある人達は、腎機能が正常な人たちに比べて、心臓病で死亡するリスクが100倍も高くなってしまうということがわかっています。(※3)
(※3)Kumar S, Bogle R, Banerjee D. Why do young people with chronic kidney disease die early? World J Nephrol. 2014;3(4):143–55.

 

腎機能に影響する食品、影響しない食品

そして研究の結果、腎機能の低下に関連する3つの食事成分が明らかになりました。
「動物性たんぱく質」、「動物性脂肪」、「コレステロール」です。
この3つはどれも動物性食品にしか含まれていません。(※4)

植物性食品に含まれるたんぱく質や脂肪については、腎機能低下との関連性は認められなかったそうです。
(※4)Lin J, Hu FB, Curhan GC. Associations of diet with albuminuria and kidney function decline. Clin J Am Soc Nephrol. 2010;5(5):836–43.

ということで、動物性食品を多く摂っている人は、腎臓や心臓への負担が大きくなるので、注意が必要です。

 

②動物性たんぱく質過剰摂取による3つの健康リスク

健康リスク1 腎機能低下

たんぱく質が代謝されるとアンモニアが作られます。
アンモニアは毒性が強いので肝臓で尿素に変えられて、腎臓から尿として排出されます。

なので、たんぱく質の代謝は消化器系全体に負担をかけ、さらに肝臓と腎臓に余計な負担を与えます。

そのため、過剰摂取の状態が続いていると、普段疲れやすくなったり、運動中にバテやすくなったりもします。

動物性のたんぱく質は、腎臓に対する酸の負荷を高めてアンモニアが増えてしまいます。
なので多く摂取すると、繊細な腎臓細胞が損傷されて、正常な腎機能に大きな影響を与える恐れがあります。(※5)
(※5)van den Berg E, Hospers FA, Navis G, et al. Dietary acid load and rapid progression to endstage renal disease of diabetic nephropathy in Westernized South Asian people. J Nephrol. 2011;24(1):11–7.

 

「過剰濾過」と呼ばれる状態になって、腎臓の作業負荷が急増してしまうんです。

この「過剰濾過」は、たまに起きる程度なら害にはなりませんので、普通はあまり心配する必要はありません。
私達の身体には万が一の状態に合わせて、ふたつの腎臓があるからです。

ただし、欧米化した食事の人は、毎日大量のたんぱく質を摂取していて、腎臓は常に予備の作業能力まで酷使している状態で、腎臓への負担が長期間続くので、年齢に従って腎機能が低下していきます。

 

お肉を食べると、数時間も経たないうちに、腎臓は最大限の作業力を発揮して「過剰濾過」モードになるということが研究でわかっています。
牛肉、鶏肉、魚など種類を問わず、動物性たんぱく質を摂ると、腎臓はこのような状態になります。(※6)
(※6)Simon AH, Lima PR, Almerinda M, Alves VF, Bottini PV, de Faria JB. Renal haemodynamic responses to a chicken or beef meal in normal individuals. Nephrol Dial Transplant. 1998;13(9):2261–4.

ですが、同量の植物性たんぱく質を摂取した場合は、腎臓に目立った症状はまったく現れませんでした。
Kontessis P, Jones S, Dodds R, et al. Renal, metabolic and hormonal responses to ingestion of animal and vegetable proteins. Kidney Int. 1990;38(1):136–44.

動物性のたんぱく質は腎臓への負担も大きいので、多すぎないように注意した方がいいですが、植物性のたんぱく質だったら大丈夫そうだといえます。

 

健康リスク2 骨粗鬆症など

先程、動物性たんぱく質が腎機能に害を及ぼす理由として、多くの「酸」が発生するということでお伝えしましたが、この「酸」は、さらに他の影響ももたらします。

食事からの「酸負荷」は酸性食品(肉、卵、チーズなど)とアルカリ性食品(果物と野菜など)のバランスによって決まります。

全米12,000人以上の人々の食生活と腎機能を調査した2014年の分析結果によれば、食事による「酸負荷」が高いほど、腎機能の指標である蛋白尿のリスクが、かなり高くなります。
Banerjee T, Crews DC, Wesson DE, et al. Dietary acid load and chronic kidney disease among adults in the United States. BMC Nephrol. 2014 Aug 24;15:137.

 

現代人の動物性たんぱく質を多く摂るような食生活では、体内で過剰な「酸」が産生されます。 そして、骨のカルシウムなどのミネラルを分解し、それを利用して「酸」を中和させる作用がはたらきます。

つまり、動物性たんぱく質を多く摂ると、身体の中で「酸」が多く発生して、それを中和させるために、骨のカルシウムなどのミネラルを分解してしまうということです。

カルシウムが失われると、骨がスカスカになる骨粗鬆症を招き、いずれは骨の変形や骨折、とくに骨盤の骨折を引き起こすと言われています。

 

骨粗鬆症の原因は、単なるカルシウム欠乏ではなく、こういうことも関係しているということです。

・カルシウム欠乏によって→骨粗鬆症、動脈硬化、高血圧など
・マグネシウム欠乏 → 生活習慣病、足のこむら返り、心筋梗塞、脳梗塞など
・カリウム欠乏 → 疲労感、むくみ、便秘、手足の麻痺、不整脈、腸閉塞など

 

健康リスク3 尿路結石

尿路結石とは尿道などに、カルシウムとシュウ酸が結合したシュウ酸カルシウムなどの石ができる病気です。

動物性たんぱく質をたくさん食べると、石の成長を抑える「クエン酸」が減少して、尿中のシュウ酸(コーヒーやほうれん草に含まれる)を増加させるといわれています。

 

③たんぱく質摂取目安量

たんぱく質は必要な量が摂れていないと、髪や爪の伸びが止まり、外傷が治らなくなってしまいます。
不足しないように気をつけることも大切ですが、摂りすぎにも注意しましょう。

たんぱく質をどれくらい摂ったらいいかというと、厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準2020」では、推奨量を成人男性で60~65g/日、成人女性で50g/日と定めています。

これは、からだを維持するために必要な1日あたりのたんぱく質量を体重1kgあたりで算定した数値から導き出された量で、男女共に体重1kgあたり、だいたい0.9~1.0gくらいです。

たとえば、体重70kgの成人男性の場合は、1日にたんぱく質を63~70g、体重55kgの成人女性の場合は、50~55gのたんぱく質をとればよいということになります。

アスリートの場合は、体重1kgあたりの必要なたんぱく質量は、1.6~2.2g程度とされています。
高齢者の場合は、たんぱく質を身体の中で利用する力が衰えてきているので、体重1kgあたりの必要なたんぱく質量は、1.2gくらいということになっています。

今回の話の「たんぱく質の摂りすぎに注意」というよりも、「積極的に摂るべき人」は…成長期の子ども、重い病気や怪我の回復期の人、授乳期の母親、高齢者です。

このように、人によっては不足しないように気をつける必要がありますが、摂りすぎにも注意しましょう。

 

④まとめ

腎機能の低下に関連する3つの食事成分は「動物性たんぱく質」、「動物性脂肪」、「コレステロール」ということで、この3つはどれも動物性食品にしか含まれていません。

動物性たんぱく質を摂ると、腎臓は「過剰濾過」モードになって、肝臓にも負担を与えるので、過剰摂取の状態が続いていると、普段疲れやすくなったり、運動中にバテやすくなったりもします。

また、動物性たんぱく質を多く摂ると、身体の中で「酸」が多く発生して、それを中和させるために、骨のカルシウムなどのミネラルを分解してしまうので、骨粗鬆症リスクや尿路結石のリスクもあるということでした。

たんぱく質摂取目安量を参考に、特に動物性たんぱく質を摂りすぎないように注意しましょう。

今回の話は、たんぱく質を摂りすぎの場合です。
たんぱく質は大切です。
摂るなというのではなく、摂りすぎはいけないということです。

特に動物性たんぱく質の摂りすぎは、身体への負担を考えて、じゅうぶん注意しましょう。

 

ABOUT ME
川端真由美
管理栄養士&生まれつきヒーラー・サイキック(15歳から病気・不調改善ヒーリング)/Udemy講師。最高評価コース多数/ 小学5年生から食品添加物、予防医学、環境問題などに興味を持つ。大学では食品栄養科学部で学び、管理栄養士資格を取得。 病院栄養士、弁当惣菜会社の開発・品質管理、病院・福祉施設向け調理コンサルを経て2016年に独立/ 長年蓄積したヒーリング・予防医学・栄養学・食品知識と自身の経験をもとに、食事と生活習慣・ヒーリングで自分を整えるセルフヒーリングを教えている。