【亜硝酸ナトリウムについて】
私は小学5年生から食品添加物や予防医学に興味を持ちはじめて管理栄養士になりました。
いまでは仕事で、食品会社さんや弁当会社さんなどに食品表示を教えたり、表示作成の請負もしています。
そんな私から、今日は食品添加物の亜硝酸ナトリウムについてのお話をさせていただきます。
ハム、ソーセージなど食肉加工品によく使われている添加物です。
亜硝酸ナトリウムは安全?
亜硝酸ナトリウムとは
亜硝酸ナトリウムがよく問題にされる理由は、二級アミン(たんぱく質ではありません)と接触すると発がん性のあるニトロソアミンができるからです。
ちなみに二級アミンは肉や魚に必ずといっていいほど含まれています。
亜硝酸ナトリウムは食品表示では、だいたい「発色剤(亜硝酸ナトリウム)」とか、「発色剤(亜硝酸Na)」と表示されています。
鮮やかな色を保つためですね。
ただし、生鮮食肉や鮮魚介類に使用することは禁止されていますので、スーパーでパックされているお肉が鮮やかな色だからといって亜硝酸ナトリウムが使われているのではありません。
でも実は亜硝酸ナトリウムが使われる理由は、発色のためだけではありません。
亜硝酸ナトリウムが使われる理由
ボツリヌス菌をご存知でしょうか?ボツリヌス菌は食中毒原因菌ですが、致死率が高い、とても危険な菌です。
そのボツリヌス菌をほぼ100%抑えることができるのが亜硝酸ナトリウムなんです。
亜硝酸ナトリウムを添加する目的は第一に、ボツリヌス菌による食中毒を防ぐためなんですね。
そして、実際に日本人が摂取している亜硝酸は、実は、ほとんどが野菜からです。
ほうれん草、ごぼう、白菜、キャベツ、きゅうり、なすなど…亜硝酸を多く含む野菜はいろいろあります。
だからといって、野菜が危険なわけではありません。野菜にはそれ以外の良い成分がたくさん含まれているからです。
※ ただ、季節外れのハウス栽培などで作る野菜は、多くの硝酸態窒素が含まれています。
硝酸態窒素となる肥料が大量に使われるからだそうです。
硝酸態窒素を避けたい方は、なるべくハウス栽培ではない季節の野菜を食べましょう。
ハム、ソーセージにどのくらい使われているのか
亜硝酸ナトリウムは、法律で使用基準として限度量が決められていますので、各メーカーはそれを守って製造しています。
そして亜硝酸ナトリウムののADI(1日摂取許容量)は 0-0.06 mg/kg/体重/日です。(亜硝酸イオンとして、自然界から由来するすべての亜硝酸塩を含む)
私は仕事がら、食品製造メーカーさんの商品規格書を見ることができます。
そこでソーセージの規格書をいくつか確認してみました。
亜硝酸ナトリウムはだいたい、食肉製品製造の際に材料に混ぜて使用されますが、ソーセージ100gあたり0.01~0.02mg使われていました。
もしこれらのソーセージでADIの量になるには、体重1kgあたり300~600gのソーセージということになります。
例えば体重10㎏の子供の場合はソーセージ3㎏~6㎏。しかも毎日。
普通はそんなに食べないですよね…
単純に亜硝酸ナトリウム=危険だとは言えないのです。
だからといって安全とはいえない
ただし、添加物が必ずしも安全とも言い切れないのも事実です。
その理由はいろいろとあり、有名なところでは、
さまざまな添加物を摂取した場合のリスクについて、しっかり研究し食品に活かしていない
ということです。
仮に、ある添加物について、単独でのリスクとしては安全性が確認されているとします。
でも、それを他の添加物と一緒に摂取した場合はどうか?ということが考慮されていないということです。
添加物の種類もたくさんありますし、量の違いなどいろいろな条件によっても違ってくる可能性はありますので、調査しきれないんですが。
他に、私がとても危惧していることは…
他の人にとっては大丈夫でも、自分も大丈夫とはいえない
ということです。
年齢・体格・人種・体質などの違い・遺伝、特定の疾患へのかかりやすさなども違います。
当たり前のことですが、わりと見逃されているように思います。
食品添加物に敏感な人は、何らかの症状が出やすかったりします。
(敏感でない方であっても、本人が気づかないレベルで影響を受けているはずですが)
敏感な人は、特に、今回お伝えした亜硝酸ナトリウムにも影響を受けやすい可能性がありますので、注意していただければと思います。
ではまた…